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最近は、ビッグマックに代表されるいろいろなアクセシビリティスイッチがたくさん出回っています。「アシスティブ」だか「アクセシビリティ」だか、私には何のことだかよくわからんのですが、要するに障がいを持つ人たちのために便利な入力装置のことらしい。今ではマウスを改造して3.5ミリジャックをつけなくても、ジャック付きのマウスが売っているとのこと。
その人の持つ能力や動きに最適なスイッチが開発され、その中に視線入力スイッチなんていうのも出てきました。しかし、まだまだいつでもだれでも使えるというものではないのが現状です。
その昔25年位前、「マジカルトイボックス」でバッテリーデバイス器具(BD)や改造マウスの作り方、使い方を学ぶ機会がありました。実際にはマウス製造の各社からは「改造しないでください」とありますし、マウスとスイッチをつなぐためのインターフェイス器具はかなりの高額です。安全性を重視するなら通産省の基準を満たしているものを使うのが賢明なのですが、備品消耗品となると他にも欲しいものがあり予算内では難しい、事務を通すと到着するまでに半年以上かかる。自分たちで作ることができれば、明日の授業からでも使えます。(当然これらのスイッチは、BD器具をはさむことで電池で動くおもちゃであれば使うことが可能です。)
1997年ころ
パソコンではなく、玄関チャイムにつないで「ピンポーン」の音で「Yes(〇)」ブザーにつないで「ブー」の音で「No(x)」 教室の壁に大きな「あいうえお」の表を貼り、竹の棒を「ア行からワ行に向けてゆっくり動かす(濁音、半濁音の行も有り。)」ピンポーンの音で棒を止め、「ア段からオ段に向けてゆっくり動かす」ピンポーンの音で棒を止め、棒が止まったひらがなの文字を読み、ボードに書く。思ったところで棒が止まらないと、ブーの音が出て、3文字戻ったところからやり直し。なんて授業をやったのが懐かしい。
この授業で忘れられない思い出があります。S君は一番障がいの重い子どもたちの学習集団で学んでいました。1年生の2学期、年度の途中からでしたが、国語と算数の時間を保証してあげようということになりました。国語の文を作る授業で「じゃあ ここで名前を入れておくことにしよう」S君は、3文字終えたところで、何もないところで「ピンポーン」「えっ、ここなの、ここ何もないじゃない。もう一度やってもいい?」何度か繰り返しましたが、ヤ行かワ行の文字のないところで止まりました。しかも、同じ所では止めていません。S君の顔には怒りの表情が見え、泣きそうでもありました。
「名字と名前の間を一文字分空ける」ということでした。彼にそんなこと教えたこともなかったし、彼がそんなことを気に留めながら生まれてから7年目の人生、小学部1年生の日々を送っているとは考えたこともなかったです。「この子にこんな授業をやっとってはいかん!!」反省しきりでした。
2002年ころ
パソコンにつないで使いました。両手で同時に操作する両手操作スイッチです。カメラが出ると、両手で顔をふさいで逃げてばかりの児童がいました。何とか素敵な顔を写真に収められないかと考えた末に思いついたのがこのスイッチです。スイッチを押すと画面に好きなもの(お母さんの顔、声)、いろいろな風景、いろんな物(人物、動物、機械)がランダムに出る。カメラで止まるとお母さんの声で「写真撮るよ~。」スイッチを押すと大好きなお母さんの写真だったり友達の顔が出る。そんなコンテンツを、当時、一世を風靡していた「FLASH」で作りました。その甲斐があってか、卒業アルバムには素敵な写真を何枚も添えることができました。スイッチが片手で操作できてしまうと、もう一方の手で顔を隠してしまうので両手で同時に操作できる必要があったのです。嫌がることを強制的にやらせることになっていたと思いますが、笑顔でピースサインを広げる写真を何枚も撮れるようになりました。
本人にとっては全くアクセシビリティな物ではありません。本人が抱えている課題を克服させるための道具でした。
2019年ころ
「上から押す」ではなく、「手前に動かす」「奥に動かす」スイッチ。
せっかく作ったのに利用する機会がほとんどありませんでした。
2013年ころ
壁に張り付けて使う壁掛けスイッチ。裏にマグネット板が張り付けてあり、黒板やホワイトボードなど金属部分に貼り付けられます。パソコンから離れたところに設置するため接続に問題が生じると機能しませんが、丸めたハンカチが当たれば反応するほど感度はいいです。
節分の「オニ退治」、ポケモンGOならぬ「ポケモンGE」や「ポケモンGA」を楽しむ時に使いました。的となる映像が映る部分にこのスイッチを貼り付けて置き、なまはげの話や動画の後で、壁に映ったオニの的に、豆(新聞紙を丸めたボール)をぶつけて、オニを退治したり、学校のどこかに現れるポケモンめがけてボールを投げてゲットするというものです。
(コンテンツはFLASHで作成。)
「的にめがけてボール投げる」ということで体育の授業でも使いました。