紹介したのは4人乗りの大型乗り物、改良2作目のものです。1作目の物は「たくさん乗れるように」と思って、床面を広くしコンパネ1枚をそのまま使いました。教室で組み立てるまで、ドアから出られないことに気づきませんでした。一人乗りも何種類か作りました。
遠足や校外学習、社会見学など「バスを使う」行事の学習で登場させました。子どもたちの実態に応じて、ねらいはいろいろと考えられますが、「乗って楽しむ」は共通のねらいとして外せません。組み立て作業が中心ですので、一番のねらいは「役割やルールに気づき、協力して作り、交代して遊ぶ」となります。
組み立ては子供たちが行うのですが、ねじ締めの作業においてはボルト、ワッシャー、スリングワッシャー、ナットの順番が正しく組めているかを課題にしました。レンチやラチェットレンチなどの道具は子供たちには使わせませんでした。本体がベニヤ板のため、子どもたちに道具を使わせるとどれだけでも締まってしまい本体がちぎれてしまうことが考えられたからです。また最終的には教員が点検をしないと動き始めてからねじが外れることも考えられました。「間違いなくねじが締めてないと、ねじが外れて途中で車が壊れてしまう」と伝え、最後には教員が道具を使って点検することを理解させました。作業が終わると「ねじ、終わりました。これでいいか見てください。」自然と言葉が出てくるようになりました。早く乗って遊びたいのですが、点検してもらわないと安心して乗れないということもあったのでしょう。
キャリア教育の中で、「点検する」「報告する」「依頼する」という力を育てる必要性が述べられておりました。私なんぞにすれば、どうして「キャリア教育」なんて言葉に置き換えるのか分かりませんでした。今までとは全く違う観点から考えなくてはいけないと言われているようで、頭の中は混乱したものです。(「進路指導」とは別物だということは分かりました。)
この教材を通じた授業で、労働につながる力は遊びの中で培われるということがよく分かりました。
※ 床はコンパネが2枚重ねてありますが、ボディ、椅子の部分はコンパネ1枚の厚さです。組み立てることを目的としています ので、結合部はボルトに頼っています。前後への急発進、左右への急ハンドル、急停止は破損が考えられます。
※ 材料や部品は、弁別して片づけました。