冬の遊びの単元で登場させました。最初の授業で材料だけ見せて「どうやったら、何ができるか」聞いても返答はありませんでした。感触過敏の子どもであれば、小麦粉粘土のぐちゃっとした感触を嫌がる子がいるのでしょうが、回すことを楽しみにしてくれるようになりませんかね。
心棒を立てる台と、心棒に対して直角に通した短い棒がポイントでした。倒れないで長く回ってもらうためには、遠心力を引き出すために重さが必要でした。紙粘土では軽くてすぐに倒れてしまいました。油粘土か小麦粉粘土かで迷いましたが、口に入れた時の安全性を考えて「小麦粉粘土」にしました。
組み立て方の順番や、棒を通す方向など組み立て方が定着するまでには何度も失敗する子がいました。コマを作る過程では「友達の活動を見る」「友達に聞く」「友達に教える」を基本にしました。
「材料を買う」活動にも取り組みました。「10円玉のみ」「10円玉と1円玉」「10円玉と5円玉」「10円玉と5円玉と1円玉」の組み合わせで、「児童が教卓まで移動し、模擬硬貨を取る。その硬貨を自分で貼れる児童は自分でボードに貼る。」「違うという児童がいればその児童にも貼ってもらう。」というもので、その昔、私が小学生のころ、指名された人が「自分はこう考えた」と発表するスタイルです。
全国的にどうなのか分かりませんが、私が知る限りの肢体不自由校では、「移動するのに時間がかかる。」「机を離れての学習に制限がある。」などの理由からどうしてもプリントによる個別学習指導が中心になる傾向がありました。友達がどのように考えたかを知る。また自分の考えと違うのか同じなのかを知る。そんなことを確かめながら自分の考え方を整理する。こうした思考過程を経験することで、より深い概念形成が図られ理解力も高まるのではないかと考えています。
※ 教卓:キャスターがつけてあり移動可能。車いすに乗っていても、手を伸ばせばとれる高さ(80cm程)に作ってある。
※ ボード:ホワイトボードのことで、普通校の黒板に相当する。
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