障がい児のための教材・おもちゃ
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(生活単元学習・図工・自立活動)
        手作り自作教材ーかみすきー原料流し入れ機
        
 材料の液を流し込む工夫は「小さな力を 大きな変化に」の発想で、コマ回し機、ビー玉転がし機と同じです。コップの中身がビー玉か液体かが違うだけでビー玉転がしで使うのと全く同じ道具を使っています。

 そもそも養護学校(特別支援学校)で、何故「かみすき」を授業で取り組もうとしたのかお話ししたいと思います。現在では多くの学校の高等部で、作業学習として「かみすき」が取り上げられています。高等部だけでなく中学部や小学部でも取り上げられています。牛乳パックを再利用するという方法がほとんどかと思います。
            
 私の育った故郷の地域には「工芸和紙」という文化があり、日展の作家さんもいらっしゃいます。文化の歴史自体は新しく昭和になってからのものです。地元の小・中学生は一年に一作ずつ作品を作り、中学生ともなると表情の素晴らしい趣のある作品を作り上げます。これらの作品は、牛乳パックのパルプの再利用ではありません。和紙の原料である「楮」の繊維を中心にパルプも使うというものです。                            (詳しくは「小原和紙」を検索してください。)

     低学年の作品ー1 低学年の作品ー2      中学年の作品
              小学校低学年のころ                 小学校中学年のころ

          高学年の作品     中学生の作品      
            小学校高学年のころ           中学校 3年    (作品は次男、三男のものです。)

 和紙は、楮の木の伐採、黒皮むき、叩解(皮叩き)、塵取り、漉きなどいろいろな集中力を必要とする細かい作業の末にでき上がります。ドロドロ、ぬるりとした原料の感触から、集中力を必要とする叩きや塵取り、最終的には日展作家に求められる芸術性まで、これらの要素を考えると養護学校の授業に取り込むことができると考えたのです。

 町田養護学校では、中学部で肢体不自由と知的障害の子供たちの交流学習の教材としてかみすきに取り組んだのですが、集まってワイワイとやれば交流になるかといえばそうでもないでしょうし、かみすきの作業性を生かした教材としての価値も今一つぼやけてしまいました。その翌年か翌々年から高等部が紙工班を起ち上げ作業学習で取り組むようになりました。(現在、どのように取り組まれているかは分かりません。)「小町井戸」から北側、多摩市に近い地区で「楮」の自生地域を見つけた時は、嬉しかったです。
 岡崎養護学校では、2年目に取り組みました。ここでも名鉄電車の線路わきに「楮」を見つけました。いらなくなった網戸を使ってのかみすきでしたので、中心部に液が溜まってしまい真ん中が厚い紙が出来上がりました。肢体不自由の子どもたちではありましたが、手が使える子どもたちでしたので操作の上で特別の配慮や工夫は必要ありませんでした。
 豊田養護学校では、コップを手で持って注ぎ入れる、自分でコップを倒す、先生と一緒に注いだり倒したりするという方法で取り組みました。
 ここまで取り組んできた3校では、木の伐採、煮沸、皮むき、叩解、塵取りまでの作業はすべて教員で行いました。パルプ材については手抜きで色画用紙をミキサーにかけることでごまかしました。いずれにせよ教員で原材料を用意していました。

 三好養護学校は知的障害の子供たちを対象にした学校です。かみすきに取り組んだのは知的障がい児入所施設内にある施設内学級の小学部、中学部の子どもたちです。材料の調達から学習の一環として取り組みました。校外学習で楮の伐採に行き、敷地内でドラム缶で煮沸、へらで黒皮をはぎ、木槌でトントン(叩解の作業)。材料作りから作品作りまで子どもたちが行いました。「髪の長い女の子」「バットとボール」「ジバニャン」「車に乗ったぼく」「虹」など個性あふれる作品が出来上がりました。

 瀬戸特別支援学校では、さすがに車いすで伐採には行けませんでした。2年目までは木槌でトントンの作業から行いました。小学部2年生までの子どもでは、単純作業で飽きてしまうかと思いましたが程よく繊維がほぐれるまで頑張ってくれました。3年目は障がいの重い子どもたちでした。この子どもたちに紹介した教材を使った授業できればよかったのですが気づくのが遅かったです。この装置はかみすきよりも後の授業でコマ回し機を作るときに考えついたものですから、この子どもたちのかみすきの授業では「小さな力を大きな変化に」変えるために、「不安定な重り」を利用するという発想はありませんでした。コップを一緒に持って「ここに入れるよ」ってやってました。
 
 重度の子どもたちといえども「情動交流」の段階を卒業して、「満足感」や「達成感」を求めている子どもたちに対して、もっともっと工夫しないといけません。「ちがう~」って言ってるのに理解してもらえない子どもたちもたくさんいます。分かってあげるための工夫(関わる側の心の変換)も大切です。(お金をかければできそうなことはたくさんあります。アイセンサーとか油圧装置とかです。パソコンやタブレットが一人一台ずつ貸与される時代になったのですから、各学校にこういうものが取り入れられる日がいつか来ると思います。)

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