「ボール転がし遊び」としましたが、発想の元は皆さんおなじみの「ビー玉に色水をつけ、転がる模様を紙につけて遊ぶ」というものです。知的障害の子どもたちであれば両手で操作ができるのですが、麻痺のある肢体不自由の子どもたちには操作が難しい遊びです。机の上に置いたバットのような箱を両手で動かす、片手で動かすのは難しい。車椅子や姿勢保持椅子に座ったまま操作するとなると、椅子に着けたテーブルがそもそも水平でなかったり、学習机となると車いすが入らなかったり、高すぎたり低すぎたりということがよくあります。自分でできそうな子供たちでも、突いたり叩いたりして何とかやってみようと試みると、全部机から落ちてしまって「なんで落とすの!」と叱られてしまうこともしばしばです。そんなわけでどうしても教員と一緒に持って操作することが多くなります。自分がやったのか先生がやったのか・・今一つ達成感が得られないと感じている子どももいることでしょう。
床に寝転がっての「バルーン遊び」もおなじみです。趣のある音楽に合わせて、パラシュートのような布がふわふわ浮かんだり舞い降りてきたり・・・。そこで「床に寝ていても見上げた空間でボールが転がる様子を楽しめないか」と思いつきました。
この道具は現職の最後の年に構想だけあったものです。「この子たちだったら、こんなのがあったらおもしろそう」と自分が担当していなかった学年の子どもたちを想定して考えたものです。まだ子どもたちの前には登場していません。どなたか使っていただける方はいらっしゃいませんでしょうか。
☆ 実際に下からのぞいて見てみましたが、ひとりで取り組む60過ぎのおじいさんには驚きの感情はあまり湧いてきませんでし
た。集団があって、雰囲気があって・・・というのが授業の大切な要素ですね。
顔の上にきますので、安全には十分気を付けてください。
☆ 紐で吊ってあるだけですので、どうしてもボールは傾いた一か所に溜まってしまいます。うまく揺らさないと転がりません。
「どうすれば転がるか」を、考え、操作できるようになってほしいです。
(試行錯誤の機会が保証され、こうすればできたと達成感を味わい、自己肯定感を高められる、そんな授業を目指したい。)