「絵の具を付けたビー玉を転がして、でき上った模様を楽しむ」という遊び方はどなたも実践されたことがあると思います。子どもと一緒に器を持って、傾けたり揺すったりするのですが、大人の側の満足感が先行してしまったり、子供の主体的な動きを大人の動きが邪魔をしてしまうことがよくあります。子どもの動きだけで、子ども自身が「やったー」の満足感や成就感が味わえるような工夫ができないものかと考えました。
同じ発想から生まれたものに、「かみすきー材料落とし機」「コマ回し機」があります。子どもが動かせる体の部位を使って、わずかに生み出される小さな力を大きな変化に変えられないかというものです。
校外学習で近くの公園に散歩に出かけました。その時に松ぼっくりをたくさん拾ってきました。松ぼっくりがいっぱいゴロゴロと音を立てて転がるような工夫ができないかと考えました。松ぼっくりが落ちる出口に下向きの扉をつけフックで止め、フックが外れるまでひもで引くというものでした。松ぼっくりをたくさん入れれば重くなるので摩擦力が増し、フックが外れるまで強い力で引かなければなりません。フックが外れるまでには距離がありますので、強い力で長い時間引き続けなければいけません。子どもの動きだけでは厳しいものがありました。
「不安定で重いもの」をそよ風が吹いたくらいで落ちるように設定すれば、子どものわずかな力でも落とすことができる。重いものが落ちれば、大きな力に変えることができる。(あまりに不安定にセットすると、手を離した途端に落ちてしまいます。実際は、風が吹いたくらいでは落ちないようにセットしないといけません。)